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大谷 具幸*; 岡崎 一成*; 西村 勇輝*; 小嶋 智*; 窪島 光志; 笹尾 英嗣; 鶴田 忠彦
no journal, ,
断層は地殻における地熱流体の重要な移行経路であるため、地熱探査においては、地熱流体を生産するために、ボーリングで断層を貫く必要がある。ボーリング孔掘削時に、その先に断層があるかどうかの情報が得られれば、ボーリング掘削の判断に有益な情報となる。既存の室内実験によって、岩石中の微小割れ目の分布様式は断層周辺ではその他の部分とは異なることが知られている。そこで、本研究では、微小割れ目分布の断層調査への適用性を評価するために、天然における微小割れ目の分布が断層周辺とその他の部分で異なるかどうかを調査した。本研究では、超深地層研究所計画で掘削されたボーリングコアを用いた。このボーリングは花崗岩中に掘削されており、深度約700mで断層を貫いており、断層上盤の異なる深度から試料を採取した。観察した微小割れ目は、石英中に発達するヒールドマイクロクラックとシールドマイクロクラックであり、それらの走向・傾斜と密度を計測した。従来の研究では、断層から離れた部分では、鉛直に交わる2つもしくは3つの面が認められているが、本研究では鉛直に交わる面に加えて、斜交する面も認められた。これらは断層からの距離に応じて、面の交差関係が変わることから、微小割れ目の分布様式が断層の存在を推定する手法として活用できると考えられた。